生まれなかった都市

観測日記とメニュー

SPARK2023 7.16 ふりかえり①(宮本佳林、スタプラ研、ハロ研ユニ)

宮本佳林——「ひといき」ってそんなにいい曲ですか?

ほんとは「ひとそれ」って言うんだね。知らん。

 

バスが10:30ごろに駐車場に到着、スムーズに入場を済ませ、他の舞台やフードを軽く見て回り、10分前ぐらいにかりんのステージに向かう。優先スペースに入れるチケットだったので、かなり遅くに行ってもほぼ最前で見られた。

 

セトリ。

1 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?

2 なんてったって I Love You

3 Happy Days

4 自分ファースト

5 若者ブランド

6 落ちこぼれのガラクタだって

 

パフォーマンスに何の文句もないがとにかく常識はずれに暑く、倒れた人もいたらしい。いまさらだけど、歌唱力・発声が違うのはもちろんのこと、かりんの歌唱!という替えのきかなさもあり、満足はした。あとなんてったっては振り付けがかわいいな。

 

ただ、朝イチSPARKステージの最初で「ひといき」ってどうなんだ。めちゃくちゃ盛り上がってはいたけど、朝っぱらから聞きたい曲か?自信もってなんてったってやってくれたっていいんだよ。ソロ時代の曲は知名度的に最初からやるのはやめとこうみたいなことか?でも次の日の横浜のフェスでは一曲目からなんてったってやったらしいし、ハロオタ向けのサービスなのか。それにしてもそんないい曲?

 

スタプラ研究生——あざとい子どもをどう捉えるか

セトリ。

1 最高WonderfulTime

2 すきっ!

3 わざとあざとエキスパート

4 YELL

5 追い風とストーリー

髪型だけじゃ見分けまったくつかないから全員同じ衣装は勘弁してくれ~。せめて集合写真に名前いれたやつ見せてくれ~。ホームページが普通に私服で髪型もステージと違うから、誰が誰だか分からないよ。

1と5が研究生オリジナルの曲で、とても良かった。特に1曲目はサビの入りで歌唱じゃなくてハミングを聞かせる曲で、そこの外し方も好ましく、コールも分かりやすかった。5曲目は天まで登れ!とかきみの登場みたいなポジションの、自分たちの境遇を歌った元気ソング系で、これもいい曲。ときめき宣伝部の曲も知ってたし、YELLもフリコピしやすく楽しいライブだった。一番子どもの渡辺ゆうが歌うまかった。というかみんな発声がよくてうまい!娘。の平均よりうまいんじゃないかと思ってしまう。途中から声が詰まってる子や顔が真っ赤な子がいて心配になるなどした。暑すぎる。

とにかくレスがものすごく激しく、笑顔含めた表情も豊かで、サービス精神がたいへん旺盛であった。鍛えられてるな~。平均年齢はハロ研より低く、しかしほぼ全員インスタとTikTokを個人でやらされている。しかも特典会をのぞいたら、何らかの方法であれば全員と集合写真がとれたらしい。このあたりのオタクへの「媚び方」がハロ研とは一線を画しており、このあたりむしろスタ研のほうが今後厳しい戦いになるだろうと思った(後述)。ハロオタもみんな子どもが好きなので喜んでおった。

 

ハロプロ研修生ユニット '23——捨てるべきものとこれから

セトリ。

1. 明日テンキになあれ

2. 女で地球は回ってる

3. ありがた迷惑物語

4. 書いては消してのI LOVE YOU

5. ダイスキだけど付き合えない

6. 一尺玉でぶっ放せ

7. 有頂天LOVE

8. 彼女になりたいっ!!!

まずセトリを見ると分かるが有頂天と彼女になりたいっ!!!の蛇足感がすごい。エッグ系(こんな言い方ないな)の特定の子が歌って初めて映える曲だと思うので、ポリッシュされた比較的ノーマルな声と歌い方の研ユニに歌わせる曲ではない。もうやらなくていいよ。やるならユニットじゃなくてハロメン全員とかでやってね。

というか7曲目ぐらいからもう暑すぎて正直早く終わってくれと思っていた。他のオタクも有頂天であんまりテンションが上がってなかった(とにかく暑すぎて)。

 

序盤の曲を聞いて、衣装の感じやメイクの感じ、歌唱の成長やダンスの艶を見ていると、平均年齢の高さもあるので当たり前だが、一般的な子どもアイドルの売り方ではなく、ハロにしかできないやり口と曲で、なおかつ新路線を探しているのだと思った。自分はハロプロのあざとくない真剣な瞬間が好きなので、そこがスタプラにはない良さなんだなあと改めて認識(そりゃえぐいときもあるんだが)。そしてそれは、時代の変化とも偶然に符合しているだろう。

 

子ども(ここでは小中学生を念頭に置いている)に歌って踊らせる系の音楽・アイドルをめぐる状況は今後どんどん厳しくなっていくのは目に見えていて、それは時代の感覚や倫理もあるだろうし、単純に子どもが少なくなっているのもあるだろうが、少なくとも自分はあらゆるパターナリズムに原則反対なので、やりたい子どもがいるかぎりこういう産業はなくすべきではないし、なくならないと思う。もちろん「性的搾取」とか「消費」の問題は深刻なので(このあたり「」をつけているのは、この深刻さも本来無条件で認めるべきものではないから)、そういう問題から目を背けるべきではなく、アイドルになることの直接的・間接的なリスクは子どもに伝えておくのが理想的な環境であると思う。しかし普通に考えて子どもにそれらを説明して理解させるのは困難であり、そこで子どもの代理人として出てくるのが保護者はじめ親で、基本的には子どもの権利を守る方向で親と事務所の間で話し合いがもたれ、その結果として規制や保障やなんらかの対応がなされてゆくだろう。ここまでは普通の話。

 

ただ実際の問題として、子どもに群がるおじさん、という構図は今となってはやや厳しいものがある(もちろん一般に思われているより研修生のファンには女性が多いし、ロリコンばかりというわけでは必ずしもない)。この厳しさは強くなることはあっても弱まることはないと思うので、今後も引き続き子どもをわんさか使ってライブやら何やらやるというのはもう難しいだろう。その点、研修生を少数精鋭化し、ユニットパッケージでとっととデビューさせちゃうというのは一つの手だと思うし、そこでの売り方・曲の作り方も、厳しさを中和させる効果をうまく果たしており、このへんの球筋の良さはさすがハロプロだなあと感じた。特に笑顔の作り方がかなり抑制的なことを改めて認識させられ、このあたりスタプラ研究生と好対照をなしており、興味深かった。レスもほぼない。

 

具体的なパフォーマンスでいうと小野田かりんが良すぎる。元気になってよかったね。自分はガニ股の気合の入りようでハロメンを測っているので、その点は小野田の一人勝ちだった。植村は歌がけっこうよい。研ユニの新曲2曲は両方ともかっこいいよね。歌唱はそこまででもないがリズム感と体力がスタプラと段違いであり、このあたりもハロの力を見せつけられるなど。

 

今日はいったんここまで。